『チンギス紀』が複数章で構成されているとしたら、この巻が第一章の終わりと、第二章の始まりを告げる、区切りの一冊。
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前半はテムジンVS玄翁の決着。
そして、明かされる玄翁の正体。
テムジンとの秘められた関係。
託された"あの"剣。
玄翁の正体を知ったテムジンは母の元へ。
そして遙か西で、彼を待ち受ける"統括"との出会い。
真実を知って、テムジンの目線は大きく遠くへ拡がっていく。
中盤から後半は、モンゴル大陸で起きる群雄割拠編へ。
テムジン、ジャムカ、タルグダイ、そしてメルキト族、ケレイト王国。
顕在化した大勢力同士の駆け引きが始まる。
手を結ぶのか、手を切るのか。
攻めるのか、富ませるのか。
各陣営は、他陣営の行動を注視し、いいところは取り入れ、悪い体制を変えようとしていく。
いち早く後方支援を充実させてきたテムジン陣営がここにきて、さらなる発展へ。
他陣営は、テムジンとそのやり方を見て、少しずつその手法を取り入れ始める。
そして、ついに、金が動き始める。
国外からやってくる大きな波は、この状況をどう変えていくのか?
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ちなみに、この五巻収録分あたりから連載一回分の文量が増えてきている。
おそらく北方大水滸伝シリーズ連載時と同じ、原稿用紙百五十枚分になってきたと思われる。
となると
連載五回分=一巻 だったのが
連載三回分=一巻 というところになるかもしれない。
(百五十枚、百五十枚、二百枚)
数えてみると、前巻の収録は連載五回分。
それに対して、今号は連載四回分。
まぎれもなく、文量は増えている。
ようやく御大のペースが戻ってきたか。
それとも、このペースにしないと終わらなくなってきたか(笑)
チンギス紀 第五巻は7/26に発売!