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〈「情報」が生み出した絶望と希望〉読書感想:『家康謀殺』

家康謀殺

 

 

「情報」とは何か。

情報社会といわれている現代ではあるが、その存在は明確ではない。

 

それは発生源としても、発信源としても、誰もが生み出すことができる。

生まれたその力は人を活かすことも潰すこともできる。

そして、それを制したものが、世界を制する。

効果を知っているからこそ、「情報」を求め、利用した者が大きな成果を出してきた。 生死をかけて、武将達がしのぎを削ってきた戦国時代も例外ではない。

 

彼らが扱ってきた「情報」によって、世界は大きく変わり、武将達の生き様は喜劇にも悲劇にも変わっていく。

短編の名手・伊東潤が描いた連作短編集の最新刊は、その「情報」がテーマだ。

 

どちらかというと、歴史小説の情報モノというと、流されたり、利用される悲劇ベースのものが多いが、本書は自分を取り戻したり、生ききったり、という陽の物語も盛り込まれているのが大きな魅力。

 

大事なのは情報を主体的に扱い、受け止めること。

 

愚か者も知恵者も誠実者も、伊東さんが「情報」から生じたその人間模様を、一作一作キレキレの論調、かつヒリヒリする展開を描いている。

重い結末の中に希望を見いだせる読了感が心地よい1冊。

歴史小説ファンなら読むべき作品だ。

 

家康謀殺

家康謀殺

  • 作者:伊東 潤
  • 出版社/メーカー: KADOKAWA
  • 発売日: 2019/06/28
  • メディア: 単行本
 
家康謀殺【電子特典付き】 (角川書店単行本)

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  • 作者:伊東 潤
  • 出版社/メーカー: KADOKAWA
  • 発売日: 2019/06/28
  • メディア: Kindle版
 

 

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