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〈忠義は、帝のためにあるのではなく、自分のためにあるのだ〉読書感想:『史記 武帝紀 5』 (ハルキ文庫 き 3-20)

史記 武帝紀 5 (ハルキ文庫 き 3-20)

 

 

 

意識を変え、組織を変え、人が変わった。

戦う姿を取り戻した匈奴を率いて、頭屠が漢へ攻め入っていく。

 

対して、名将を失い、かつての官僚的思考に逆戻りしつつある漢。

またしても、腐敗が始まっていた。

 

李陵を失い、蘇武も戻ってこなかった。

武帝がくだした判断は、李陵一族の族滅。

くだした方も、くだされた方も何かを傷つけ、癒えない苦しみを背負っていく。

そして司馬遷は屈辱の果てに自らの使命を魂に染みこませる。

 

“一度死んだ”ことで、己の生と使命を見つめ直す三人。

国という縛りから少し抜け出したことで、彼らは何を見出すのか。

 

名将二人を失ったいま、自分と国に希望を見せてくれる存在が現れることへの渇望。

武帝の老いが次世代メンバーの人生を狂わせる。

 

それを見据えながら、各陣営がそれぞれの考えで新たなる道を切り開く群像劇となり、物語は佳境へと進んでいく。

(漢側からすると、墜ちていく鬱展開の雰囲気も・・・)

 

そしてこの後の見所ともいえる蘇武のサバイバル生活。

その描写が濃厚すぎて、映像より脳裏に焼き付いていくんだよなあ。

 

生きる、ということに特化したとき、ほとんどのことは些細なことに見えてくる。

こういう状態も人には必要なのかもしれない。

 

史記 武帝紀 5 (ハルキ文庫 き 3-20)

史記 武帝紀 5 (ハルキ文庫 き 3-20)

  • 作者:北方 謙三
  • 出版社/メーカー: 角川春樹事務所
  • 発売日: 2013/12/14
  • メディア: 文庫
 

 

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