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〈世界を変えた愛されし“捨て子〉読書感想:『将軍の子』

将軍の子

 

 

江戸幕府を武断→文治へと変えた名宰相・保科正之。

その誕生から成長・円熟の日々に関わった人たちによる連作短編集。

 

保科正之と言えば、将軍・秀忠の隠し子、次代将軍・家光の異母兄弟という非常に特殊なポジション。

その生誕、成長、そして出世に至るまで、奇跡と偶然に彩られた人生だ。

 

そもそも彼は、流産を指示された存在だった。

それを拒否し、生き延びらせる選択を周囲がしなければ正之はこの世に存在しなかったかもしれないし、家光に名乗り出ることすらできなかった。

成長してその実力を開花し、江戸幕府崩壊の危機を支える程の存在になったのは、彼を取り囲む人たちのささやかな行動と大きな希望だった。

それらが正之を育て、そして正之が託された想いを還元していく、という仁の連鎖が、本書のなかで次々と拡がっていく。

 

この暖かさ、読んでいて心が軽く熱くなる。

令和という時代の雰囲気にピッタリの歴史小説が生まれた、そんな気分。

 

保科家に正之が養子で来たことにより、家督を奪われた嗣子の話しが入っているなど抜け目ない人選も魅力。

保科正之と言えば中村彰彦さんや童門冬二さんの作品が有名だが、本作は令和の新たなスタンダードになりそうな予感。

 

佐藤さん、是非正之の通史書いてほしい!

 

 

 

将軍の子

将軍の子

 

 

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