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〈役人に対する江戸市民の通信簿〉読書感想:『『よしの冊子』にみる江戸役人の評判 武士の人事評価』 (新人物文庫)

『よしの冊子』にみる江戸役人の評判 武士の人事評価 (新人物文庫)

 

 

江戸時代後期、松代定信が老中の時代。

幕閣や奉行に対する町人の評判は、意外と実態から外れていなかった!

 

まるで町人による通信簿のようなことが記されている『よしの冊子』。

これを中心に、江戸時代の役人の実態を分析解説した1冊。

 

評判良かったのに、たった一回の失態で罰を受けたことを惜しまれた若年寄

どこにいっても「あいつは何してもダメだな」と見切られている殿様

仕事ぶりはしっかりしているのに、部下に足を引っ張られていてかわいそうだ、と思われている官僚

 

など、リアルな評価が非常におもしろい。

※ちなみに、『よしの冊子』には『鬼平犯科帳』の長谷川平蔵も登場する。

 

江戸の町人は役人と距離が近く、噂好きで見る目があったのだろう。

こんなにしっかりした(具体的な)情報が集まられ、定信のもとへ届けられていたことが驚かれる。

江戸時代という管理社会の光と影をみる思い。

 

もっとも彼らは(当初は)田沼政治からの脱却の象徴として、松平定信への期待を高めていたが、最後は低評価へ。

(もちろん他の要素もあったのだが)定信への酷評は江戸の市民からもあがっており、持ち上げてはみたものの、ハズレとみると一斉に突き落とす側へ。

民衆は気まぐれで厳しい。

 

民の声ファースト、というとキレイだが、最も難しいことなのかも。

 

 

『よしの冊子』にみる江戸役人の評判 武士の人事評価 (新人物文庫)

『よしの冊子』にみる江戸役人の評判 武士の人事評価 (新人物文庫)

  • 作者:山本 博文
  • 出版社/メーカー: KADOKAWA/中経出版
  • 発売日: 2015/02/10
  • メディア: 文庫
 

 

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