開城、そしてその後を描いた最終回。
何かあるんじゃないか
まだ波乱があるんじゃないか
とビクビクしながら読んでいた。
加代たち名も無き領民や、伊織ら有志の別所武士団からすれば、開城して命救われればそれでよい、ということではない。
手術が成功したからといって、めでたしめでたし、というわけにはいかないのと同じ。 籠城の日々で失ったもの、壊れたものはたくさんあるのだから。
けど、スタートから描かれた“生きる”という意義を、加代一家が最後まで貫き、伊織がそれに応える、きれいなラストでホッとした(汗)
その伊織と加代。ベタな結末だけど、これだけ悲惨な状況から抜け出したからこそ、得られた幸せ。
むしろ結ばれて良かった(まあ、ラストどうなるか少し心配したけど・・・)
開城に至る地方領主・別所の悲哀と誇り、そして本当は根底にあったはずの土地への愛着もきちんと描かれていたのが一番嬉しかったかも。
天下統一を旗印にしている勢力と彼らは違うのだ。
領民と、その土地と、家族と暮らせることへの無限の感謝。
小さくても幸せなコミュニティを次代へつなげることにも価値はあるのだから。
こういうミニマムだけど無二のものを愛おしく守っていくって価値観、令和だからこそ輝くものだと改めて思う。
単行本楽しみ。