読書メーターで毎年作成している、読んだ本の中で、最も良かった本ベスト20。
2019年はここ数年の中で、一番すんなり決まった年だった。
いつもはベスト20に入りきれなかったり、順位が定まらなかったりしたものだったけど・・・
それだけ、「これだ!」って本にきちんと巡り会えていた、ってことかなあ。
というわけで、今回から4回に分けて、ベスト20を発表していきます。
第20位『新釈 猫の妙術』
たくさんの事例があり、多様な見方が共有されてくると、みんな正解にできてしまう(完全な間違いがなくなる)時代。
自分の決断も目の前の選択肢から選んだ先も、みんな正解になってしまう。
だからこそ、今後はより正しい正解を選ぶか、どれとも違う視点から切り込むか、になりそう。
じゃあ、自分はどうしたらよい?の答えを知るにピッタリな1冊。
一芸に秀でた者たちではびくともしない猫の動かし方について、本当に必要なものを達人が説く。
武術論で、精神論で禅問答な内容ではあるけれど、ハッとさせられるワードがいくつもある。
第19位『八本目の槍』
羽柴秀吉VS柴田勝家。
その決着の場となった賤ヶ岳の戦いで栄光を掴んだかにみえた勇士七人。
でも、活躍の場を拡げた彼らの戦いは、夢見たものとは違っていた。
待ち受ける豊臣家崩壊の日、そして滅亡を防ぎ、その先の未来を見据えた石田三成と七人の“槍”たちの生涯を描いた連作短編集。
ミステリー要素あり、どんでん返しあり、と最後まで油断できない展開が続き、冷酷でも熱血でもない、新たな三成像が打ち出されている。
戦国の次の時代を見据えた三成構想は現代に寄せすぎな感はあるけど、読者の心を揺さぶる描写は流石の一言。
第18位『読みたいことを、書けばいい』
書評サイト「美女読書」でも書評かかせていただいた1冊。
軽妙な書きっぷりで笑わせつつ、書くことの孤独と苦しさへの理解を綴った、まさに発信者に寄り添った内容。
他の方の感想読むと、書く意欲が湧いてきた、と感謝をしているものが多かったけど、読まれる文章を生み出すための泥臭さに目を向けないと、この本を真に読んだとはいえないと思う。
自分が読みたいものを生み出すのは、読む側ではわからないほど大変。
それでも書きたい、と思えるか。それが重要かも。
第17位『最澄と空海』
今回のランキングは、シリーズものを一単位で計算しない。
なので、入れたくても入れられなかったのが、マンガ『阿・吽』
あまりにも強烈で印象的すぎて、「マンガ新聞」でもレビューを3本も書かせていただいた。2019年はこれを通じて、仏教中興の祖・最澄と空海の生き様に注目した1年といってもいいほど。
この勢いのまま、久方ぶり梅原作品で最澄と空海を改めて勉強・研究。
抵抗勢力・間の悪い運命・現れない理想の理解者などなど、苦しみの中、理想へ突き進んだ二人。今後再注目の予感!
何かを変えたいなら、彼らの生涯と功績が参考になること間違いなし。
第16位『FACTFULNESS』

FACTFULNESS(ファクトフルネス) 10の思い込みを乗り越え、データを基に世界を正しく見る習慣
- 作者:ハンス・ロスリング,オーラ・ロスリング,アンナ・ロスリング・ロンランド
- 出版社/メーカー: 日経BP
- 発売日: 2019/01/11
- メディア: 単行本
偏見や思い込みで世界を見ていないか。
その気づきを与えてくれた1冊。
これだけ情報量が増大し、処理すべきことが増えたからこそ、右から左へ流しちゃいけないことがたくさんある。
まさに「ボーッと生きてんじゃねーよ」(笑)
だからといって、提示された数字は客観的なものであって全てじゃないこともおさえておかないと・・・
悲観的にも楽観的にもなりすぎず、前向きに世界と向き合っていけるために、自分はどこにたつべきか、2020年以降の目標であり課題となる要素を教えてくれた。