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読書感想:『勝海舟と幕末外交 - イギリス・ロシアの脅威に抗して』 (中公新書) ~際どいバランスの上にあった幕末日本の実態~

勝海舟と幕末外交 - イギリス・ロシアの脅威に抗して (中公新書)

 

 

 

幕末、江戸幕府と海外諸国との間で繰り広げられた熾烈な外交戦。

日本(幕府)は一歩間違えれば、対馬か蝦夷地(北海道)が列強の植民地になる可能性を秘めていた。

(事実、そういう打診をしてきた国は存在している)

 

幕府内でも「○○国と組むべきだ」みたいな意見が飛び交っていたに違いない。

勝海舟や小栗上野介など、当時の幕臣達は海外情勢を分析し、最良の方法を探り続けていたのだ。

 

本書は日本側はもちろん、ロシア側、イギリス、アメリカなど当時日本と関わりを持ってきた諸国の記録をもとに、知られざる攻防を分析・研究。

もともと著者が海舟を徹底研究したこともあり、海舟に偏りがちな意見がある一方、井伊直弼の評価がメタメタだったり、など引っかかるところはある。

しかし、露英米の関係値と国際情勢の変化が緻密に分析・紹介されており、当時の日本が首の皮一枚でつながっていたことがわかる。

 

教科書や普通の歴史解説だと、幕末は幕府の弱腰外交や、諸外国の強引外交のイメージが強いけど、双方に事情があり、微妙なバランスを読み合いながら、高度な外交活動をしていたことがわかる。

また、その後の日清・日露戦争につながる要素も内包されており、近代日本を知るにあたっても有用な情報が含まれている。

中公新書らしい、濃厚で学術的な内容。

日本を知っておくために、読んで損は無い1冊だ。

 

 

 

勝海舟と幕末外交 - イギリス・ロシアの脅威に抗して (中公新書)

勝海舟と幕末外交 - イギリス・ロシアの脅威に抗して (中公新書)

  • 作者:上垣外 憲一
  • 出版社/メーカー: 中央公論新社
  • 発売日: 2014/12/19
  • メディア: 新書
 

 

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