読書メーターで毎年作成している、読んだ本の中で、最も良かった本ベスト20。
4回にわけて発表、その2。
第15位『虎の牙』
山の民・アケヨ。
彼は突如、武田信玄の父・武田信虎の弟であることを告げられ、“信友”の名と共に武田家の武将となる。
裏切りや寝返りが絶えない戦国時代黎明期における兄弟の不器用な愛情の物語であり、理不尽な運命の物語であり、自然と文明の共存の難しさを突きつけられる作品。
歴史小説としては異色の存在にして、独特な語り口は何とも言えない読了感。
原虎胤や北条氏綱といった(比較的)マイナーな武将にも光をあてた意欲作。
現地にも行ったこともあり、思い入れもひとしおの1冊。
第14位『一流の人は、本のどこに線を引いているのか』
初読は3年前。
当時はふんふん、と得した気分で読み終えていただけだった。
今年改めて読んで、他の本に、少し自分なりの“線を引けた”のが嬉しくてランクイン。ささやかながら自分、成長したなあ、と自分で自分をほめる(笑)
(一時ほどではないにしろ)一冊の本からきちんと価値あるインプットができるかどうか、は読書家にとって重要なスキル。
次はアクションまでつなげて、目の前の景色を変えられるところまでいかないと!
引き続き高みへ挑んでいく。
第13位『良質読書』
読みやすい本
目的にあった本を読む
といった費用対効果の読書から
内なる感覚をきっかけにし、もっと自由で気楽な読書へ。
これからは、スキルやテクニックが短気に陳腐化する時代。
AIにとって代わられる恐怖がなんとなく漂う中、私たちは何を増やし、何を伸ばしていけばいいのか。
答えは、“元々あった”読書を通じて、自分を高めること。
「美女読書」にて書評を書かせていただき、難解な本に挑むことの素晴らしさを改めて確認させていただいた、思い出深い1冊。
読書は目的達成のためではなく、日々・生涯続く習慣にしたい。
ならば、自分が決めて自分が選び、そして胸を張れる読書をしたいもの。
読みづらい本も、理解不能なフレーズも豊潤の時が来ればわかるようになる、そんな希望がもてる内容になっている。
読書好きな全ての方にオススメ。
第12位『家康謀殺』
「情報」を扱い、家を守り、武功を上げようとする戦国武将たち。
その生き様を描いた連作短編集。
騙されたり利用されたり、という悲劇ベースの物語から、自分を取り戻したり生ききったり、という陽の物語も盛り込まれており、1冊通じて多くのことが感じ取れる内容。
短編の名手・伊東さんが今作もキレキレの展開で飽きさせない作品ばかりを収録。
いつの時代も「情報」を主体的に扱い、自分主導で生き方を決める人間が充実した人生をおくることができる。
自分は「情報」とどう向き合いっていくか?
今にも活かせる課題であり教訓だ。
第11位『情報と秩序』
12位に続けて情報本をチョイス。
「情報」大事、って言われているし言っている方は多いと思う。
では情報ってそもそも何?と聞かれたら、みなさん答えられるだろうか?
この疑問をまさかの原子レベルから解説されているという驚きの1冊。
一見難しそうな表紙、敷居の高そうなタイトルだけど、これがホントにわかりやすい!ここまで情報という形なき存在を理解させてくれる本は他にない。
理系っぽいイメージありそうだが、文系でも大丈夫、というか文系こそ読んでおきたい内容が盛りだくさん。
漠然とイメージしていた「情報」、その正体がこの本でわかる。