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読書感想:『廉太郎ノオト』 (単行本) ~ 無数の壁を越えて、思うがままに。その果てに聞こえたオト~

 

 

廉太郎ノオト (単行本)

 

 

若くしてこの世を去った音楽の子・滝廉太郎の生涯を綴った作品。

 

もっと拡げてもいいだろうに、と思う日々の描写が一瞬で通りすぎ、

何気ないやりとりに生々しさや暖かさを凝縮させる。

 

きっと、廉太郎はこういう場面が好きで、こういう場面にたくさん出会うことを求めていた。

 

彼の死後、遺言に従い、集まったメンバーと託された一曲。

そこから始まる彼の物語は、まるで廉太郎の走馬燈のように、本人基準でシーンが細やかに変わっていく。

 

最初はさらっとした浮き世離れの描写ばかり、淡々とした日々が続く。

でも、音楽によって廉太郎の青春は次第に彩られていく。

 

豊かになっていく廉太郎の時間が愛おしく、その一方で訪れる悲劇と絶望に触れるのが怖くなって、少しずつ少しずつ読んだ。

 

読んでる時間がオンエア、次読むまでが幕間のような三ヶ月間。

本末転倒と知りながら(笑)付き合う気になった自分が、今でも不思議。

 

 

 

 

振り返って、沖方丁さんのような、純粋で熱の通ったバラードを連想される作品だったなあ。

読み終えたとき、きっと生ききるってこういうことだ、と目の前が爽やかに開けたのが印象的。

 

個性的な登場人物もたくさん登場。

意外に土井晩翠がチョイ役だったことには驚いた。

 

まあ、なんといっても注目なのは廉太郎のライバル・ツンデレ美女幸ちゃん。

こういうところをデフォルメしてしまう、谷津さんの遊び心満載の一作だ。

 

廉太郎ノオト

廉太郎ノオト

  • 作者:谷津矢車
  • 出版社/メーカー: 中央公論新社
  • 発売日: 2019/09/06
  • メディア: Kindle版
 
廉太郎ノオト (単行本)

廉太郎ノオト (単行本)

  • 作者:谷津 矢車
  • 出版社/メーカー: 中央公論新社
  • 発売日: 2019/09/06
  • メディア: 単行本
 

 

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