読書メーターで毎年作成している、読んだ本の中で、最も良かった本ベスト20。
4回にわけて発表、これがラスト。
ベスト5です。
第5位『将軍の子』
今さらだが、僕たちは令和に生きている。
年号が変わったときの熱狂ぶりをみて、きっと何かを期待しているのだと思ったもの。色んなコトが変わり、新しいものが生み出されるに違いない。
そんな新時代だからこそ読みたい(オススメしたい)1冊って何?と聞かれたら、迷わずこの本を薦めたい。
江戸時代の名宰相・保科正之の出生から成長までに関わった人の連作短編集。
将軍秀忠の隠し子として、存在できなかったかもしれない命を支えた人たちの思いと、それを受けて成長する正之が、その人たちに恩返しをしていくことで、過去に背負った業すらも希望へと変えていく。
まさに生きるもの同士のプラスの輪廻。しかもそれが武断から文治へと、世界を変える原動力となっていくのだ
これからはきっと双栄共生。そんな雰囲気を生み出した一作だ。
第4位『敗者烈伝 (文庫)』
どんな切り口から書いても人物像がブレない伊東さん。
その秘密はこの本にあり!
詳細な分析と見識から見出された御自身の結論があるから、どの作品も説得力があり、“豪腕”と称される力強さがある。
本文では蘇我氏から西郷隆盛まで「えっ、この人も敗者なの?」と思ってしまうような方も登場。
どの人物項もコンパクトにまとまっており、読み物として空き時間に少しずつ読むのもよし、教訓としても明日の自分に活かすもよし。
歴史から学べることはまだまだたくさんある。来年以降も折に触れて読むぞ。
第3位『その悩み、哲学者がすでに答えを出しています』
価値観の多様化、様々な意見が飛び交う世界。
おそらく大間違いは起きづらくなり、正解ばかりが目の前に提示されていく。
そうなると求められるのはより本質的な答え。そんな傾向はこの先も続きそう。
命題から目を背け、テクニックで切り抜けることもできるけど、その場しのぎではなく根本を知って解決したい。となるとやはり古典が一番。
というわけで、2020年は改めて古典を読み直したいなあ。という中でこの本がとってもわかりやすく染み渡ったのでランクイン。
今僕たちが悩んでいることは、大先輩たちが解答済みなのだ。
だから、あとは行動あるのみ!

Atomic Habits: An Easy & Proven Way to Build Good Habits & Break Bad Ones (English Edition)
- 作者:Clear, James
- 発売日: 2018/10/16
- メディア: Kindle版
習慣本がたくさん発売された2019年。
実は、どの本も具体的なアクション(アウトプット)にそれほどの違いはない。
だから、「なぜ習慣は必要なのか?」「人は目標達成したら、なぜやめてしまうのか?」という白眉な問いを提示した本書と巡り会えたことは、2019年最大の幸運だったかもしれない。
この本を読めば、他の習慣本はいらないと断言できる内容がてんこ盛り!
大事なのは何ができるようになりたいか、ではなく何になりたいか。
続けられるささいなことから、アイデンティティ(自分は何者か)を定義。
そこからトップダウンし、自分の本質とズレないアクションを見つけることで、ストレスなく続けられる習慣を作っていく、という斬新な手法はこの本ならでは。
一生続けられることを見つけるなら、迷わずこの本を手に取るべし!
第1位『儚い光』
2019年のランキング、実は1位はすく決まった。
というかこの本しか思い浮かばなかった。
ナチスの殺戮を逃れた少年ヤーコプが心の傷を癒やす人生の旅を描いた前半と、ヤーコプの功績によって救われる少年の物語の事実上二部構成。
詩的構成で描かれる世界観は感じて、瞬時に頭に浮ばせ、そして文字以上に脳裏で描けないと混乱する文面。
でもこれこそ、本来あるべき読書なんだってことを教えてもらった1冊。
この感覚をいかにインプット→アウトプットできるか。
そして、次にこの本を読むとき、自分はどれだけこの物語から感じ取れるだろうか?
読書家として大きな目標。また必ず読みたい。