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読書感想:『戦国大名と分国法』 (岩波新書) ~ 法から見える中世日本。戦国大名に求められたもの ~

戦国大名と分国法 (岩波新書)

 

 

応仁の乱終焉から、各地で有力者が自治に動き始めた戦国時代。

それまで領地をおさめていた大名の権威が失墜し、新たな存在がその地位につく。

戦国大名と後に呼ばれる実力者は、ときに周囲と同盟を結び、ときに領土を拡張し、わかっている者は内政にも力を注いだ。

そんな戦国大名を取り上げる際によく出てくる存在が法律だ。

 

自治を確立するために、決まり事を定め徹底させる。

分国法と表される法律は大名ごとに内容が異なり、考え方や特色を知るのに有効なツール、と見られていた時期があるそうだ。

 

ところが実際の分国法を見てみると、想像以上に形式も意味合いもバラバラ。

内容も法律なのか、指針レベルなのか、当主の愚痴なのかわからないものも・・・

 

後半の文書には愚痴が並んでいる結城家

当主が出すのではなく、家臣から「この決まりを守れ」と突きつけられた六角家

法律としては当時の最高峰のものを作り上げた今川

そして滅亡直前までバージョンアップした武田など、分国法から、当時の価値観がみえてくる名本。

 

タイトルだけみると難しそうな印象を受けるかもしれないが、清水さんのわかりやすくちょっと茶目っ気のある表現、そして何より必要なところだけ大胆に抜粋・要約した編集力が見事すぎて、分国法はもちろん紹介された戦国大名への愛着まで湧いてくる。

もちろん戦国大名好きが読んだら、ますます知的好奇心がかき立てられること、間違いなし。

 

ラストの織田や徳川、後北条などの有力大名になぜ法がないか、という理由にも触れており、衝撃の結論が述べられている。

 

目から鱗の見識を是非確かめて欲しい。

 

 

 

戦国大名と分国法 (岩波新書)

戦国大名と分国法 (岩波新書)

  • 作者:清水 克行
  • 出版社/メーカー: 岩波書店
  • 発売日: 2018/07/21
  • メディア: 新書
 
戦国大名と分国法 (岩波新書)

戦国大名と分国法 (岩波新書)

  • 作者:清水 克行
  • 出版社/メーカー: 岩波書店
  • 発売日: 2018/12/20
  • メディア: Kindle版
 

 

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