モーション・グリーン

ブログ開設14年目!今年も「紡ぐ」発信を目指す読書・アニメ・特撮感想ブログ。

読書感想:『政宗の遺言』~野望の火は消えていない?独眼竜政宗、最期の言葉~

政宗の遺言

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 

江戸時代・三代将軍家光の時代。

老いた独眼竜・伊達政宗。は、未だ家督を譲らない中で自身が最期と銘打った江戸への参勤を行った。

ところが、病を押してまで行く理由について、様々な憶測が流れる。

中には、幕府への叛逆を企てているのでは?という不気味な噂も・・・

道中で、そして江戸で起きる様々なトラブルや事件。

体調の良くない政宗への懇ろな対応をする将軍と、嫌がらせのように伊達屋敷へはびこる老中。

そして突然現れる幕府の密偵。

その先には、野心の残り火・叛逆への動かぬ証拠をめぐる幕府との暗闘が待っていた。 果たして、その証拠とは? そして政宗の真意は?

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

基本は政宗に長年使えた小姓が語る政宗の半生と、政宗の野望を巡るミステリーが併行して進む物語。

誰が味方かわからない展開、突然いなくなる主人公の同僚、政宗周辺に潜む忍びの正体など、不気味な雰囲気が漂う一方、とても謀反起こしそうに見えない老人政宗の腹の読めない様子など、ホラーな部分も多い。

どこかで政宗変容するんじゃないか、と読んでいて構えてしまっていたけど、そこは岩井作品。ラストは人間・政宗の本心へとフォーカスしていき、非常にこじんまりとした結末へと進んでいく。

驚きとは別の意味で「えーーーー」っとなる結末だ。

 

まあ、人の晩年としてはこの方が頷けるかなあ。

確かに政宗のイメージはいつまでも若々しくギラギラした感じだが、70代まで生きていれば、きちんとした爺さんになるのは当たり前(本編では腹が膨れすぎているという描写も。実際に見たら家康みたいなタヌキスタイルということになりそう)

遅咲きの英雄というキラキラした肩書きを取り払った政宗が躊躇なくそこにいた。

政宗ファンにはちょいと辛い光景かもしれないな(苦笑)

 

ちなみにこの作品、岩井さんの書き方なんだろうけど、幕府老中のしつこさ(というか嫌がらせ)が尋常ではない。

今でも病人の気を遣わずにお見舞いに大挙してきたり、いちいち連絡して様子をうかがう病室の光景を目にするが、老中達の対応はそれに似ている。

(屋敷に常駐しようとしたり、一日二回将軍からの使いを屋敷に寄越して政宗を寝かせなかったり)

 

そして政宗の謀反に対して病的に警戒しているシーンがたくさん。

戦国時代から少し離れた世代、この頃から権力を背景にした官僚的要素が強まっていたのかもしれない。

 

 

政宗の遺言

政宗の遺言

 

 

にほんブログ村 本ブログへ
にほんブログ村

 


読書感想ランキング