集中力。
一口に言っても、内実は長続きするものと短期のものがあると思っていた。
ところが、根っこは同じというのが本書のお話し。
『ちはやふる』で注目が集まる競技かるた。
そのクイーンが語る、かるたの魅力や練習方法、クイーンになるまでの道が記されている1冊。
特に注目すべきなのは、その練習方法や、競技中に心がけることが、他の選手と異なっていて、しかもそれを気にせず肯定していること。
例えば、集中力については練習を繰り返すこととは別に「疲れてきてからいかに集中力をあげるか」という戦略の基に、日常の集中力をキープしようとしていたこと。
つまり、練習により短期・通常のレベルをあげることによる“短距離”レベルと、疲れてきてからも勝負所を外さないための“長距離”レベル+見極め力を想定していたということ。本格的すぎる・・・ 他にも相手の研究をしすぎないことや、自分基準をきちんと持つことなど、後悔しないための心理的攻め重視な発想で、クイーンは構成されていることがわかる。
ゴルフの石川プロやスケートの羽生結弦選手など、超攻撃的プレイをする若手が増えてきているが、そういう世代の風潮でもあるのだろうか・・・
最近は様々な分野で科学的見地とか、合理的方法といったものが紹介されている。
エビデンスがあるので、万人がある一定の成果が得られる、という信頼感があるのでついつい取り入れてしまうのだけど、その人に合ったやり方は(非合理だったとしても)存在する。
いや、そういうやり方を見つけなければ、先には進めないのだ。
今のところ、それは毎日練習し、モチベーションを高め、トライアンドエラーの繰り返しからじゃないと得られない模様。
我を貫いて結果を出した著者の話は、より自分らしさ(自分ならでは)を求める方には参考になることが多いのでは。