天下人・太閤秀吉の死。
再び訪れそうな混乱を予期してか、世情は不穏な雰囲気に。
穴太衆はこれまで以上に仕事が減り、身の振り方を考え始める者が現れた。
他家の仕官。
それは独立不羈の姿勢からの脱却にして、穴太衆への裏切りを意味していた。
雇われによる生活の安定か、使命を前提にした職人魂か。
穴太衆内部のひずみに憤慨しつつ、匡介は先々を見据えて、石の切り出しを依頼。
大津城での日々を通じて得た、自らの理想に向かって動き始める。
目指すは、永劫の泰平。
墜ちない城、攻めようという意欲を削ぐ城を作ること。
争乱が起きたとき、また悲劇を繰り返さないために。
そして“最強の矛”国友との激突をも制するために。
しかし、源斎に告げられた秀吉の“呪い”が、匡介と穴太衆に衝撃をもたらす。
秀吉が最後に発した一言をどう解釈するか。
生粋の穴太衆・源斎は、そこに職人魂を発揮してしまったらしい。
「今日からお前が飛田屋の当主だ」
「亡き太閤殿下の依頼を受け、俺は伏見城に入る」
先のことを知っている身としては、これフラグたったとしか思えない(涙)
上手く逃げてくれないかな・・・
時は1599年。 匡介の心に住み着く城での激突まで、あとわずか。
矛と盾の戦いが近づいている。