ご存じの方もいるかと思うが、ぼくはまがいなりにも書評やっている身だ。
プロではないけれど、だからといっていつまでも“まがいもの”を垂れ流すわけにもいかない。
クオリティを高めるためにも、プロのお話し聞いておかないと、ってことで読んでみたのが今回の1冊。
正直、はぐらかされている印象は否めず、食い足りないところは多々あるけれど、“書評”というコトに対する姿勢や考え方、工夫など、発信者としておさえておくべき要素がたくさんある。
誰もが発信できる世の中だからこそ、プロとアマチュアとの差は、外側(ユーザに対する)分析と内側(自分自身のスタンス)分析をきちんとしているかどうか、から生まれてくるんだろうなあ。
特に媒体(どういう人が読んでいるか、自分はどの位置から発信していくか。という)意識は意外とおそろかになりがち。
自分が書いている(発信する)ものは、感想なのか、要約なのか、引用(好きなセリフを紹介する)なのか、簡単なコメントなのか、“書評”なのか。
わかっているのといないのとでは大違い。
(一番多いであろう感想でいうと、観る側になると何者ともわからない人の感情であるということを忘れちゃいけない。「カッコイイ」という感情を並べすぎても、本人の思いは伝わらず「?」になるのはよくある話し)
大事なのは相手にとってプラスになるかどうか。
そこに焦点があたっている文章にこそ価値が生まれる。
ブログでも読書メーターでも重要な要素だ。
何も考えず感情の迸るままに綴るのも悪くはない。
でも伝えようと思うのなら、どう伝えるのか、という意識を忘れないようにしないと。
本書は、そこを冷静にみることを教えてくれた。
書評家に興味が無くても、自分の振り返りとしてさらっと読める1冊だ。