人間はウソをつく。
それは昔も今もおそらく変わらない。
今ですら、事実(真実)が正確に記録されておらず、問題になるケースがあるのだから、歴史上の書状や日記、書籍や記録の信憑性は根本的な所で担保されているとは言えないのだ。
しかも、それらの史料が今後山ほど出て来る保証はなく、日本史の研究は“わからない”袋小路となっている事例が多いんじゃなかろうか(むしろ、未解明のものが山ほどある)
ある意味小説(フィクション・ストーリーメイキング)目線にはなってしまうけど、人や気象、海外との比較、当時の思想や事象、さらには他の専門学やホモサピエンス学といった幅広い観点こそ、僕たちが学ぶべき“日本史”が含まれている。
本書はその中の脳科学観点から、戦国武将達はどんな人間だったのかを推察していく。 歴史×脳科学の対談本だ。
サイコパス・ソシオパス・ファザコンなどなど、取り上げられている武将のファンの方々怒るだろうな、と思うほどストレートな意見や考えが遠慮無く飛び交っていく。
戦国時代にある程度精通している中野さん(脳科学)だからこそ、ズバッと斬り込んでくるので、本郷さんタジタジ(?)
その様子、フラットに読んでる身からすると心地よい(笑)
武将達の精神状態は、タイムトラベルして会えたら仲良くなれない、ってことがわかるほど振り切っている、ということがよくわかった(汗)
あとがきで本郷さんが語っていた通り、史料の唯物視点で日本史を深めるには限界があり、様々な分野や学問を用いて、切り口を深める段階に来ているのようだ。
そもそもの判断材料が、その史料なのだから、これだけで視点が改まるかどうかは、正直微妙。 より多様な見方が必要になってくるなあ。
ちなみに『麒麟がくる 』の斎藤義龍も取り上げられている。
ドラマ観た方は是非読んで!