モーション・グリーン

ブログ開設14年目!今年も「紡ぐ」発信を目指す読書・アニメ・特撮感想ブログ。

読書感想:『観察: 「生きる」という謎を解く鍵(Kindle)』 ~僕たちは“見ていない”という事実 ただファクトを見るという感触の再確認~

観察: 「生きる」という謎を解く鍵

 

 

 

昔、熱で寝込んでいた頃。 水分補給でポカリを飲んで横たわる。

すると、のどから水分通過の報告が入る。

 

体内にいる小人さんがえっちらほっちら水分を運び、チェックしてどんどん流し込む。 のどを通過して体に入り、腕や下半身、臓器など、様々なところから水分の感触が伝わってくる。

 

聞こえるはずのない小人さんの声や息づかいが聞こえた。

水分がどこを通過しているのか、指をさせと言われたら指し示す自信があった。

体調が悪く、眠ることも出来ず、ただ寝転んでいる自分は、体の変化を見ているしかなかったのだろう。

 

僕はあのとき、体を“観察”していたのかもしれない。

この本を読んで、思い出せないあの感触を、懐かしく思い出した。

 

観察: 「生きる」という謎を解く鍵

 

変わった対談だった。

ザックリ紹介すると、思念や解釈を入れず、ただ“観察”することを説いたお話し。

 

「ただ見る」

簡単そうで、実はこれができない(やりづらい)

 

情報社会、僕たちは無意識のうちに、見たものやことを解釈まで一気に思考を飛ばしすぎている。

 

親に怒られた。そこから憎しみや憎悪を膨らませたり

泣いている子供を見た。そこからその子の親に保護者失格のレッテルを貼ったり。

 

目の前にあるのは、ただ一つの事象、ファクトでしかないというのに。

 

他にも、僕たちは『思い込み』という形や『解釈』『決めつけ』という形などで、判断してしまっていることが多い。

すると、そこで思考は止まってしまう。

そんなことはない、という人も、写真の撮影、動画の編集も、その切り取りに意志が働くことで、本来あった(存在していた)ものとが違うものを、他者に見せているのだ。

(取材やインタビューが本人の意志とは違う所で切り取られている話が、その好例)

 

結果、目の前にあるもの、そのものを知ることもなく、気付くこともない。

本来、そこには、見たままのものしかないというのに。

 

逆算思考や仮説思考が進みすぎると、目的を明確にして(結論ありきで)僕たちは構えすぎてしまう。

するとその場の変化に対応できず、実態を歪めてしまう。

その弊害は目に見えないところで拡がっていることを、本書では痛いほど突いてくる。

 

ただそこにいる。

ただ見る。

記録する。

 

そうすれば、自然に脳が動いていく。

それをながめる。

 

急ぎすぎず、結論を求めすぎず。

それくらいの感覚が、これからにはちょうどいいのかもしれない。

 

流行のマインドフルネスの意義もここにつながってくる。

挫折した人や興味薄かった方もこのアプローチから入ると試したくなるかもしれない。

 

対談は様々なところに飛び、難しすぎる仏教思想や「言語化できない悟り」の話しなど、わかりづらい言い回しも出てくる。

だが、そこを差し引いても気づき満載の満足な1冊。

 

もし、今の世の中、自分の周りに違和感や息苦しさを感じているなら、この本が助けになるかもしれない。

 

 

 

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