新たなる戦乱の匂い
それは、理不尽な悲しみがない未来のための戦い。
民の涙をぬぐうのは
矛か、楯か。
――――――――――――――――――――――――
伏見城での戦いから始まる、矛と楯の最終決戦。
攻める気持ちを喪失させる絶対の楯か
苦境に抗える力を民に与える至高の矛か
技を極めた二つの技能衆が激突する。
今回、もう一人の主軸・彦九郎の視点がついに導入。
どんなにスキルを高め、どれほどの時間を費やしても、鉄砲の弾一つでその日々を無に打ち砕ける現実がそこにあった。
父の最期を見たからこそ、虐げられる弱き存在のための“矛”を作る、と心に決めた。 (奇しくも、同号で掲載されている『布武の果て』でも鉄砲導入の意味と変化についての言及があった。そっちは金が名将に勝るコスト面での優位性、って観点だったけど)
戦国時代とは、大名(武士)同士の争いに民が巻き込まれる時代でもあった。
そこで力がなく抗えない時代を変えようとした彦九郎、うーん、敵キャラとは言い切れない・・・
さらに意外と匡介のことをしっかり認めているあたり、当初抱いていたイヤな奴度は薄まった気がする。
もっとも、抑止力の観点では正しいけど、みんながある程度の力を持つことによる未来、って、決していいものとは言い切れない。
やってることは死の商人だしなあ。
間違いないのは、戦乱が矛と楯を育てた、ということ。
場が経験を生み、技術の進歩となっていき、大きな渦となっていく歴史の体現者として、二つは、新たな競い合いの場にたとうとしている。
“楯”の先頭に立つため、伏見城に入る源斎。
攻め手との籠城戦を通じて、守り方の分析や改善点を匡介に送るためだ、って言ってるけど、この試み、どう考えても分が悪すぎて悪い予感しかしない(涙)