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読書感想:『塞王の楯 第十一回』(小説すばる 2020年 6・7月号 [雑誌]) ~矛と楯の決戦へ “矛”彦九郎は描く 抗える未来のために~

小説すばる 2020年 06・07月合併号[雑誌]

 

 

新たなる戦乱の匂い

それは、理不尽な悲しみがない未来のための戦い。

民の涙をぬぐうのは

矛か、楯か。

――――――――――――――――――――――――

伏見城での戦いから始まる、矛と楯の最終決戦。

 

攻める気持ちを喪失させる絶対の楯か

苦境に抗える力を民に与える至高の矛か

 

技を極めた二つの技能衆が激突する。

 

今回、もう一人の主軸・彦九郎の視点がついに導入。

どんなにスキルを高め、どれほどの時間を費やしても、鉄砲の弾一つでその日々を無に打ち砕ける現実がそこにあった。

父の最期を見たからこそ、虐げられる弱き存在のための“矛”を作る、と心に決めた。 (奇しくも、同号で掲載されている『布武の果て』でも鉄砲導入の意味と変化についての言及があった。そっちは金が名将に勝るコスト面での優位性、って観点だったけど)

 

www.motiongreen.net

 

 

戦国時代とは、大名(武士)同士の争いに民が巻き込まれる時代でもあった。

そこで力がなく抗えない時代を変えようとした彦九郎、うーん、敵キャラとは言い切れない・・・

さらに意外と匡介のことをしっかり認めているあたり、当初抱いていたイヤな奴度は薄まった気がする。

もっとも、抑止力の観点では正しいけど、みんながある程度の力を持つことによる未来、って、決していいものとは言い切れない。

やってることは死の商人だしなあ。

 

間違いないのは、戦乱が矛と楯を育てた、ということ。

場が経験を生み、技術の進歩となっていき、大きな渦となっていく歴史の体現者として、二つは、新たな競い合いの場にたとうとしている。

 

“楯”の先頭に立つため、伏見城に入る源斎。

攻め手との籠城戦を通じて、守り方の分析や改善点を匡介に送るためだ、って言ってるけど、この試み、どう考えても分が悪すぎて悪い予感しかしない(涙)

小説すばる 2020年 06・07月合併号[雑誌]

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