モーション・グリーン

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読書感想:『剛心』 第八回(小説すばる 2020年 6・7月号 [雑誌]) ~その哀しみは希望になるか? ミナが見た妻木の日々~

小説すばる 2020年 06・07月合併号[雑誌]

 

 

広島臨時議事堂建設を経て、妻木は相変わらず新旧メンバーと共に忙しそう。

どうやら新しい役職・大蔵省建築掛長に就いたらしい(臨時でとっつけたようなネーミングに見えるのは僕だけか?)

 

舞台は再び東京へ。

今回は妻木の妻・ミナ視点がメイン。

育児も来客対応も真摯に切り盛りしながら、彼の力になろうとする思いが綴られたほっこり回。

 

穏やかで合理的

怒ることがめったになく表情が大きく動かない。

捉え所がなく、家事もだいたいのことが出来てしまう。

 

当初は自分の居場所に戸惑う夫との距離。

その後、両親を早くに亡くし、天涯孤独で生きてきた妻木が、失うことを恐れているのでは?と気付いたときから、支えになろうと決意した日々。

 

妻木が全てを話さないからか、空想の世界に入りがちで、他のことがおろそかになる天然?なところは微笑ましい。

だからこそ思い悩むのかもしれないし、妻木の理解者であり続けられるのかも。

 

妻木はこれまでの回でも、全てを自分で処理できる超人ぶりが目についてきたけど、だからこそ、彼は満たされていないし恐れている、という一面があるのが新鮮だった。

 

久しぶりに出かけた東京の街で出会えた大審院。

日本らしさを残そうとする妻木の思いに触れると同時に、ミナが感じたのは、変わりゆく光景への喪失感。きっと当時の東京(江戸)の人々はそんな戸惑いのなかにいたのだろう。

西洋一色に染まりそうな明治末期の東京、微かな抗いをみせていこうとする妻木。

この後、東京はどうなっていくのかなあ。

 

 

小説すばる 2020年 06・07月合併号[雑誌]

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