母・ホエルン逝く。
チンギスからまた一人、大切な存在が去っていく。
ジャムカ死後、目に見えた強敵は無い。
当初は数百機だったモンゴル帝国は、今や数十万の軍勢を動員できるほど、その規模は拡張している。
(将来のライバルとなりそうなマルガーシが着々と成長しているけど・・・)
主だった将校は戦死や病死がほとんどなく、一軍を任せられるほどの存在がたくさん。 新たなメンバーも続々加入し、金や西夏との戦いに備えた歩兵の準備も着々と進む。
なのに、どんどん空虚になっていくチンギス。
なんだか、『楊令伝』後半の楊令と重なる・・・
(楊令と違うところは家族がたくさんいることと、方向性はもうみんなに認知されていること)
今の日本と文化感が違うとはいえ、特殊な環境の中でテムジン(チンギス)を産み、その存在をどこか持て余した母。
でも、その宿命を彼が生まれたときに悟り、託すしかなかった日々。
ホエルンも孤独だったのかもなあ。
虹の根もとは、見つかりましたか?
私が、虹の根もとになってやるべきだった
チンギスの空虚を見抜いたかのような遺言。
母の願いは、彼の心に彩りの灯をともすのか。
やはり、鍵となるのは梁山泊?
金国や西夏を攻めるとあらば、出てきてもおかしくはないのだけど・・・